東京・東石神井を舞台に、漫画家の猪熊先生と仲間たちが時空を行き来する連作短編。語り手と作者と登場人物が同じ場所でしゃべっているような軽快な場面と、ふと差し込まれる静かな再会の場面の温度差が好きで、気がついたら全話を通して読んでいました。SF・ファンタジー・恋愛・ご近所の風景が並んで置かれていて、その並べ方がとてもこの作者らしい。最終話で先生が口にする「ささやかだけれど、誰のなにかの、役に立つもの」という言葉の余韻が、読み終えたあとも長く残ります。
時間と空間の呪縛から解き放たれたカトリーヌ・ド・猪熊こと女流マンガ家・猪熊和楽は、この宇宙の過去と現在、だけではなく、自らがつくり出した創作の世界をも往き来する、奇妙な時空間旅行者となっていた。 いたずら好きの双子とダンスを踊り、行方不明の女性飛行士と空を飛ぶ。美貌の悪魔や“ときを見た少年”と言葉を交わし、日々の締め切りに追われる猪熊。 そんな彼女はあるとき、初恋の男性と再会するのだが……、時間と空間の迷路のさきに、彼女が見つけた希望とは? 売れない貧乏小説家・樫山泰子が、人気マンガ家・猪熊和楽の正体に迫る、ウソッぱちノンフィクション・ノベル(仮)、先ずは一場の、はじまり、はじまり。 〇全十三話(全四十回) 第一話「ときを見た少年」 第二話「丸いおでこ、ひかるあの子」 第三話「僕らとフリオと公園で」 第四話「天使たちの時間」 第五話「肉体と悪魔」 第六話「練馬のシルバーバック」 第七話「ガールフレンズ・ワンダーランド」 第八話「こまった時には気軽に相談、あなたの街の法律家。行政書士の石橋さん」 第九話「香椎千里の青の時代」 第十話「香椎千里の薔薇色の時代」 第十一話「バビロン再訪」 第十二話「スモール、グッド・シングス」 第十三話「ささやかだけれど、誰かのなにかの、役に立つもの。」 ※『ノベルアップ+』様との重複投稿作品です。 ※更新は、基本、毎週水曜日と土曜日の19:00を予定しております。 ※この小説の内容は、予告なく変更される可能性があります。
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